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Renfe(レンフェ:国鉄) キセルで罰金!?

「日本の鉄道でキセル。バレたら罰金3倍料金。」そんなお話、聞いたことありますよね。ここスペインではどうなのか…。今回は、Renfeの罰金について。

Renfe(レンフェ)とは、スペイン国有鉄道のこと。マドリッドの中心地での移動は、地下鉄(Metro)か市内バス(EMT)が大変便利ですが、少し郊外に出かける、または、長距離列車で旅に出るといった場合には、おのずとRenfeを使うことになります。

マドリッドの中心から少し離れた郊外を結ぶ路線をセルカニアス(Cercanías:「郊外」という意味)、さらに離れた都市を結ぶ中距離、長距離列車をそれぞれメディオ・ディスタンシア(Medio Distancia)、ラルガ・ディスタンシア(Larga Distancia)と言います。

ちなみに、セルカニアスでは、マドリッドの中心を離れると、検札がなくなる駅が多くなります。駅舎はあり駅員もいますが、駅舎を出る際の検札もなく、自動改札もない駅が多くなるのです。出るときは、何も見せずにそのまま出られますし、入るときは券売機か窓口で切符を買って入場します。仮に買わなくても、ホームに上がり、乗車できます。また、下車の際、その駅までの料金が不足していたとしても、自動改札がない駅であれば、そのまま出られます。このように、自動改札がない駅に向かう場合、正規の料金をしっかり払うかどうかは、本人の良心に委ねられています。

(Pinar駅にて。少しわかりにくいですが、この線路沿いの砂利道を進んで行けば、そのままホームに上がれてしまいます。)

では、本題…。すでに月極定期券や10回券などを持っていて、その券がカバーする料金以上のゾーンに行く場合は、どうすればよいのでしょうか。

日本人だったら、次のように即答するはずです。
 
①とりあえず目的地まで行き、そこの駅で精算する。
②とりあえず乗車し、乗務員が来たら車内精算を申し出る。

残念ながら、スペインでは①と②のどちらも不正解です。さて、私がマドリッドの中心(チャマルティン駅)から郊外の世界遺産・アランフェス(Aranjuez)に行った時のケースをお話します。

私は、このブログの記事でも紹介している月極の定期券を持っています。カバーするゾーンはAからB2までです。アランフェスはC1のゾーンですので、この定期券だけでは運賃不足です。そこで、通常の日本人の思考にたがわず、①か②の方法で行くことを選択しました。

マドリッドの中心を離れ、草木のない大地が広がります。本を読み、旅の気分を感じながら、40分程度の旅程を楽しんでいました。そろそろアランフェスに着こうかというとき、2人の乗務員が検札に回って来ました。

まず、「ビジェーテ(切符は)?」と質問。当然、切符はないので、Aゾーンからの乗車を証明するために、定期券を見せました。何やら早口でまくし立てられ、最後に「12.6ユーロ(約1800円)だ」と言われました。高い…。自分はB2までの定期は持っているので、支払いはB3とC1の料金分だけのはず。「高くないですか!?」と聞き返すと、「サンシオン(sanción)だ!」と…。サンシオンの直訳は「制裁」、つまり、ここでは「罰金」の意味です。①か②の支払い方法以外にまったく想定していなかったので、唖然…。状況がよくわからず、次のやり取りが繰り広げられました。

私  :えっ、どうしてサンシオン?
乗務員:あんたの定期はB2まで。B3とC1までの分の切符を持っていないから…。
私  :だから、今、精算してください!または、アランフェスの駅で差額を払いますよ。
乗務員:ダメ。今、この時点で切符を持っていないんだから、それはサンシオンの対象。
私  :ええーっ!それじゃ、どうすればよかったんですっ?チャマルティンの駅は、改札口
    がないから、そのまま電車に乗れちゃうし…。
乗務員:チャマルティンで電車に乗る前に、切符売り場で自分の定期を見せるんだよ。それ
    で、アランフェスまで行くことを告げて、差額をその時点で支払って、切符を購入。
    それから乗車しないと、サンシオンになる。わかった!?はい、12.6ユーロね。
私  :じゃあ、事前にちゃんとチャマルティンで差額を払っていたら、一体いくらだったん
    です?
乗務員:1.8ユーロ。
私  :(閉口…)

高額な料金に怪訝(けげん)な顔をしていると、罰金の表のようなものを見せられ、12.6ユーロが正しい徴収額だということを確認させられました。しかたなく、罰金を支払うと、受領書を渡され…。
 

こちらとしては、悪意などまったくなく、あとで精算できるだろうと思っていただけなのに、まさかのサンシオン…。しかも、その罰金は、正規料金の「7倍」。非情…。

つまり、このような解釈なのだと思います。

日本では、通常はどこの駅でも自動改札、または有人の検札があるので、下車の際に乗車料金のチェックができる。その分、乗車中に、必ずしも目的地までの切符を持っていなくても良いのです。「後でしっかりと払ってね(♥)」という感覚…。しかし、スペインの場合、郊外では自動改札がない駅が多く、検札も行わないのが普通。乗車駅で一番安い切符を買い、そのまま遠くの駅で下車、なんてことがいくらでも可能。だからこそ、乗車中、常にその旅程をカバーする切符を携帯していなければ、それは罰金の対象なのです。

スペインのシステムが間違っている!などと言う気はありません。勝手に日本の常識を当てはめ、スペインの常識をしっかりと調べもせずにアランフェスに行こうとした私のミスです…。今回の件でボヤけるとすれば…、「罰金額の倍率、いささか高すぎるんじゃない?」ということくらいです。

日常、スペイン人の行動を見ていると、「何でもありかっ!?この国はっ!!」と思う局面が多々あります。しかし、今回の罰金のように、しっかりしているところはしっかりしています。細かいところは、細かいです。

キセルのスリルを味わうのは自由ですが、高額罰金のことを考えると、出発の駅で、しっかりと正規の料金を払ってから乗車することをおすすめします。また、日本だったら、「なんだか今日は天気がいいから、このまま終点の駅まで行ってみて、ぶらぶらしようかな…。」というような気ままな旅ができますが、スペインでは避けたほうがいいでしょう。万が一サンシオンなど徴収されたら、「ぶらぶら」どころではありません。高額罰金に「頭くらくら」です。
  
ちなみに、アランフェスの駅(終点)には自動改札がありました。受領書の紙切れしかない私は、自動改札からは出られません。日本とは違い、駅員室は少し離れたところにありますので、尋ねることもできません。どうしたものかと何分間かまごまごとしていました。しばらくして、ほかの客の対応を終えた先ほどの徴収員が下車してきました。「どうやって出ればいいの?」と聞くと、「ペルドン、ペルドン(すまん、すまん)」と言って自分のカードで自動改札を開けてくれました。

天気も悪いわ、罰金取られるわ…。とんだアランフェス観光でした。

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