外国人がスペインに長期滞在するにあたり、もっとも時間を
かけさせてくれる公的手続き。それがNIE(ニーエ)です。在日本スペイン大使館で、たとえ長期滞在のビザを許可されたとしても、スペインへの入国後30日以内に入管へ出頭し、このNIEを取得しなければなりません。
これから4回に分けて、私が実際に踏んだ手続きを(そしてボヤきも交えて)解説をしていきます。なお、NIE取得の過程は、申請者のおかれている状況により異なります。あくまで、「私」のケースであるということをお断りし、解説を始めたいと思います。
「私」のケース
・滞在目的:マドリッドの某大学に籍を置き、1年間の研究が目的。
・査証(ビザ)の種類:「留学・研究・研修査証(長期、6ヶ月以上)」
⇒私の場合、通常の学生の留学とは異なり研究目的の留学です。しかし、大きく「学生ビ
ザ」というカテゴリーに入ります。他の国にあるような「研究者ビザ」のような部類は
スペインにはありません。
・同伴者:家族を伴っての滞在
⇒私の場合、家族(妻+子1)を伴っての滞在でした。入国にあたっては、「留学生の扶
養家族同居査証」というビザを取得しました。
このケースでは、自分のみならず、家族全員のNIE申請を行わなければなりません。家族
一人一人にNIEのカードが発行されることになります。家族一括申請のような方法はない
ので、時間も提出書類も倍以上要すると考えてください。
では、第1回目となる今回は、NIEに関する基本的な知識から。
1.NIEとは?
Número de Identidad de Extranjero(ヌメロ・デ・イデンティダ・デ・エクストランヘーロ)の略です。「外国人識別番号」のことですが、要するに、長期滞在を証明する居住許可証です。クレジットカードのサイズで、識別番号、顔写真、生年月日、国籍、年齢、性別、スペインでの住所、直筆の署名と指紋が記載されます。私の場合は、学生ビザなので、表の右上に”ESTUDIANTE”、裏面には在籍する大学名も記載されています。実際の自分のNIEの写真を公開しているブログもありますので、どんなものか画像で見たければ、そちらを参考にしてください。Número de Identidad de Extranjeroなどで検索すれば出てきます。
2.申請の時期
スペインの入国日から
30日以内です。これは、日本のスペイン大使館に査証(ビザ)を受け取りに行った際に、しっかりと説明されます。
3 .用途
最も大きいのは、有効期限内であれば、EU圏内にこのカードで滞在できること。また、法的な仕事の契約が可能になります。それ以外でも、身分を証明しなければならない様々な局面で、パスポートの代わりとして使用できます。これを取得したら、わざわざパスポートを持ち歩かなくても大丈夫です。
例1)クレジットカードでの買い物
⇒デパートなどでクレジットカードで買い物をする際、よく身分証の提示を求められ
ます。パスポートでもよいのですが、NIEでも大丈夫です。
例2)旅行時
⇒ホテルのチェックインの時に、パスポートの代わりに使用できます。
次回以降、実際の手続きの過程について、解説をしていきます。
[4回]
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