発信するブログ「あっちのタバコ屋」。すなわち…
マドリッド在住者がスペイン生活の様々な情報を
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今回は、日本の運転免許証をスペインの運転免許証に切り替える方法をご紹介します。
0 .スペインにおける日本の運転免許証の扱い
まず、スペインでは日本の運転免許証で車の運転はできません。スペインへ旅行目的で入国し、レンタカー等で車の運転をしたければ、必ず国際免許証を日本で取得してから入国する必要があります。
しかし、レンタカー屋の中には、「日本の運転免許でも有効期限などが確認できれば、車を貸す」というところもあります。が…。
私の場合、あるレンタカー屋に行って、日本の運転免許でも大丈夫か尋ねると、有効期限が「西暦」ではなく「平成」だったのでダメでした。では、大使館で翻訳を発行してもらえば大丈夫か聞くと、「それなら車は貸せる。でも、国際免許証を携帯しない運転行為は、法的には認められていないので、警察に捕まった時には、自己責任で解決するように!」と念を押されました。違法行為にもかかわらず、レンタカー屋が車を貸してしまうというのも驚きですが、とにかく「日本の免許証のみでの運転は違法行為だ」とはっきり言われるので、しっかりと国際免許証を日本で取得してくるのが無難でしょう。
次に、長期ビザで滞在する場合ですが、これも同じように日本の運転免許証だけでは運転できません。したがって、以下の2つの方法が考えられますが、ここでお勧めするのは②の方法です。
①日本で国際免許証を取得しておく。
②スペインに来てから、日本の運転免許証をスペインの運転免許証に切り替える。
①の場合、費用が安い(2500円程度)、すぐに取れる(即日発行)、スペインに入国後すぐに運転できるというメリットがありますが、注意するべきはその有効期間です。国際運転免許証は発行後1年間有効なのですが、国によってその有効期間に対する制限が異なります。スペインの場合、その有効期間は入国後6か月間のみなので、最初は国際免許証で運転ができるのですが、半年を過ぎると使えなくなってしまいます。ですので、半年以降も続けて運転したいという場合には、せっかく日本で取ってきた国際運転免許証は無意味になってしまうのです。
このように、長期滞在の場合、国際運転免許を持っていても、それがずっと使えるわけではないので、結局は現地でスペインの運転免許への切替をしなければなりません。それだったら、最初から、少し面倒でも、入国後にスペインの運転免許への切替を行っておいたほうが得策ということになります。
ということで、ここでは、長期の滞在者の方向けに、日本の運転免許証をスペインの運転免許証に切り替える方法についてご紹介いたします。なお、読むのが面倒だという方は、在スペイン日本大使館に電話などで問い合わせると、方法を教えてくれます。
また、スペイン語が堪能な方は、直接スペイン交通局(DGT:Dirección General de Tráfico)のHPで確認ができます。http://www.dgt.es/es/。このHPで順に…
「canje de permiso」⇒ 「Canje de los permisos de conducción expedidos en países no comunitarios (Andorra, Corea, Japón, Suiza y Mónaco)」のリンクをクリックしていくと、必要書類が見られます。
2.申請先
スペイン交通局(DGT:Dirección General de Tráfico)で申請を行います。
住所:Calle Arturo Soria,143, 1ª planta(←マドリッドの場合です。)
※地下鉄4号線アルトゥーロ・ソリア駅(Arturo Soria)下車、徒歩で5分もかかりません。(日
本で言う)2階に受付があります。
※予約(cita)は必要ないようです。HPで確認すると「予約が必要」と書いてあったので、電話
(060)してみました。「予約は必要だ」と言われたので予約を申し出ると、1週間後を指定
してきました。そんなに待たされるとは思いませんでしたが、そこしか空いていないと言うの
で、1週間後の朝9:15に予約を入れました。
しかし、当日、受付に行ってみると、特に予約を確認されることもなく、整理番号を渡され、
待つように言われました。現状では予約は必要なさそうです。
2.必要書類
a)申請書(solicitud):当日受付をする際にもらえます。
b)身分証(acreditación de identidad y residencia):NIEとそのコピー
c)運転免許証(permiso de conducción):日本の運転免許証とそのコピー
d)免許の翻訳(traducción oficial del permiso):日本大使館で発行された正式な翻訳
e)適性証明(informe de actitud psicofísica):視力検査等の証明
f)顔写真(fotografía actualizada):白地のカラー写真・脱帽・32 x 26 mm・1枚
g)写真票(talón foto):当日受付でもらいます。必要情報を記入して提出するだけです。
h)誓約書(declaración):当日受付でもらいます。スペインの交通法規に従う旨の文章が書か
れています。サインをするだけです。
i)申請料(tasa):当日支払います。
※「申請書」について
HPからもダウンロードが可能なので、事前に記入して持参することも可能です。https://sede.dgt.gob.es/Galerias/tramites-y-multas/permiso-de-conduccion/canje-de-permisos/2.40_Cast_2hoja_unidos_avanz2.pdf
※「運転免許証」について
日本の運転免許証は、申請時に一度、スペイン交通局が預かることになります。その後、正式に運転免許証の切替が済んだのち、日本大使館へ送付されます。申請者は、日本大使館から「免許の返却があった」という連絡を受けるので、大使館へ取りに行くことになります。
※免許の翻訳について
在スペイン日本大使館へ行って、発行してもらいます。2日程度かかり、19.50€。
※「適性証明」について
運転者検査センター(centro de reconocimiento para conductores)で適性検査を受け、証明書を発行してもらいます。検査にかかる時間は15分程度、費用は38.0€です(高い…涙)。
町のいたるところにこのcentro de reconocimiento para conductoresがあります。「センター」となっていますが、簡単に言えば、適性検査を請け負っている病院、クリニックあるいは診療所のことです。場所は交通局のHP確認ができますので、自分の好きなところで検査を受けます。
http://www.dgt.es/es/seguridad-vial/centros-colaboradores/centros-de-reconocimiento-de-conductores/
私の行ったところは、普通のマンションの2階にあるような小さい診療所でした。予約は必要ないと言われたので、朝一で行きました。
・視力検査:アルファベットで答えるので、発音に気を付けねばなりません。
・聴力検査:日本の一般的なものと変わりありません。
・動体視力:片手それぞれにハンドルのようなものを握らされ、画面の玉が所定の位置からはみ
出さないように操作するもの。日本では経験がなかったので、はみ出しまくりまし
たが、検査後、「あんたはいいほうだ」と言われました。難しいですが、完璧にで
きる人はいないようなので、安心してください。
・問診 :常用している薬はあるか、アレルギーはあるかなど、スペイン語で聞かれます。基
本的にはすべてNOで答えればいい内容です。
ちなみに、交通局の近くにも適性検査が受けられるクリニックがいくつかあります。客引きもいますので、当日、申請の前に適性検査をするということも可能です。こんな感じ。
※「申請料」について
27.40€です。受付が一通り終わると「じゃあ、隣の建物で申請料を払って、それからまたここへ戻って来て」と言われます。その場で徴収してくれればいいのに、なぜか通りに一度出て、隣の別の建物に行かねばなりません。非常に面倒です。
隣の建物の(日本で言う)2階に会計(caja)がありますので、そこで払い込み、払った証明(jusutificante)をもらい、また最初の建物の同じ受付へ戻ります。
3.費用
上記からもわかるように、日本円のトータルで13,000円程度かかります(2014年3月現在)。
19.50(免許の翻訳)+38.00(適性検査)+27.40(申請料)=84.90€
4.受け取りに要する時間
申請が完了すると即日で以下のような仮免許(autorización temporada para conducir)が発行されます。
NIEとこの仮免許を併せて携帯することで、この日から運転が可能になります。この仮免許の有効期間は3ヶ月間です。プラスチック製の本免許証は、申請日から数えて2~3週間で郵送で自宅に届きます。
以上、いろいろと細かい情報を書きましたが、NIEの申請に比べれば、圧倒的に楽な手続きです。あえてボヤくとすれば、「費用、もう少し安くならない…?」ということと「申請料を払い込む場所、同じ建物にしてよ~。」ということくらいです。では、また。