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マドリッド交通定期券の入手方法1(基本編)

スペイン情報ブログ"otro estanco"の第1回目の記事は、マドリッド市内交通の共通定期券の入手方法を紹介します。「入手方法2」では、実際の購入体験談(ボヤキ)もありますので、お時間がありましたら、そちらのほうもお読みください。ボヤキのほうを読んでいただけると、このブログのタイトル”otro estanco”(オトロ・エスタンコ)の由来がおわかりいただけます。
 
0.マドリッド市の主な交通網(2013年10月現在)
 
 マドリッドの交通網は発達していて非常に便利です。主なものを挙げると…

 ・地下鉄(Metro):市の中心部(Centro)をほぼ網羅。初乗り1.50€(ユーロ)、距離に応じて
         料金が変動。
 ・セルカニアス・レンフェ(Cercanias Renfe):JRのようなもの。市内と郊外、さらには地方
         都市を結ぶ。初乗り1.50€で、距離に応じて料金が変動。
 ・市内バス(EMT) :市の中心部をほぼ網羅。料金は1.50€均一。
 ・郊外行バス(Interurbano):市内と郊外を結ぶ。初乗り1.50€、距離に応じて料金が変動。

 ここで紹介する定期券は、上の交通手段のすべてが、購入の際に指定したゾーン内なら乗り放題になる便利な定期券です。1か月以上滞在する人、アクティブに行動したい人は入手必至です。(1週間程度の滞在なら、”Billete tristico”(ビジェーテ・トゥリスティコ)「旅行者チケット」というのがありますので、そちらのほうが手軽に購入でき、便利です。スペイン語、英語ができる方は、”Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交通協会)のページで確認してください。http://www.crtm.es/ のページの”otros abonos”をクリックします。

※ゾーン(zona:ソナと発音)について
 マドリッドは、中心部をAゾーンとし、そこから遠心状にB1→B2→B3→C1といようにゾーン
 が決められています。したがって、定期券を購入する場合、自分がどのゾーンの定期券を購
 入するか指定することになります。当然、中心部から遠いゾーンの定期券は高くなります。
 たとえば、ゾーンB2の定期券を買った場合、ゾーンA・B1・B2であれば、上に記したすべて
 の交通が利用し放題になります。ちなみに、観光名所はゾーンA内にあるので、長期の観光目
 的ということであれば、ゾーンAのみで十分です。

1.定期券の呼び方
 ここで紹介する定期券は、スペイン語で”Abono transportes mensual ”(アボーノ・トランスポルテス・メンスアル)と言います。単に"Abono mensual"と呼ぶことのほうが多いですが、要するに月極めの交通定期券という意味です。ここでは、簡単に”Abono mensual”と呼ぶことにします。

2.Abono mensualの構成
 日本の定期券の考え方と少し異なるのは、”Abono mensual”が、以下の2つから成る点です。
 
 

  ①”ABONO TRANSPORTES”と書かれた、所持者の情報(氏名・身分証番号・発行番号・
   有効なゾーン・バーコード・顔写真)が記載された赤いカード。発行は無料。
  ②”Cupon mensual”(クポン・メンスアル)という切符サイズの月極め定期券。ゾーンに応
   じて料金が異なる。

 まず①を入手し、それを提示することで②が購入できる、という流れです。”Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交通協会)のページでは、単純に、①を”tarjeta”(タルヘータ)、②を”cupon”(クポン)と呼んでいますので、ここでもその呼び名に倣います。”tarjeta”(左)と"cupon"(右)はこんな感じです。

   
3.Abono mensualを入手するには? 

 手続きの舞台は、”Estanco”(エスタンコ)です。”Estanco”とはタバコ屋の意味で、別名
”Tabacos"(タバコス)と言います。タバコ屋と言ってもタバコだけを販売しているわけではなく、実に様々な業務を請け負っています。店舗の数から言えば、ちょうど日本のコンビニのようなものです。(しかし、繁華街やターミナル駅以外は、長い昼休みがあり、営業時間は非常に短いです。)下の写真のような店が、いろいろな場所にあります。

 

 さて、手続きの流れです。

 ⅰ)申請に必要な顔写真とパスポートを準備する。顔写真はカラーで、だいたい縦4×横3㎝
   くらい。(地下鉄などに、スピード写真がありますので、それでOK。)
 
 ⅱ)”Estanco”(エスタンコ)で申請書(”Solicitud tarjeta abono mensual”)をもらい、
   必要事項を記入する。(どのゾーンまでをカバーする定期券が必要かを記入するように
   なっている。通常”Estanco”には、記帳台のようなものはない。持ち帰って記入するか、
   帰るのが面倒であれば、書けるスペースを見つけて書いてもよい。)

 ⅲ)記入した申請書を”Estanco”に出す。それと引き換えに”tarjeta”が渡されるので、自分で氏
   名、身分証番号(外国人はパスポート番号で可)を記入する。記入後、”tarjeta”を顔写真
   と共に返す。顔写真を貼り付け、ラミネート加工をしてくれ、発行となる。
   → ここまでの過程は無料。

 ⅳ)発行された”tarjeta”を見せ、”cupon”を購入する。”tarjeta”には、すでに利用したいゾーン
   が記載されているので、何も言わなくても利用ゾーンの定期券を購入することになる。
   ”tarjeta”に記載されている発行番号を”cupon”にも書くので、利用規約上は”cupon”を他人
   に貸したり、譲渡したりすることはできない。(ただし、交通の利用時に、常に
   ”tarjeta”と”cupon”を照合するわけではない。)


  ”Cupon mensual”の料金(2014年5月現在)

   ZonaA:54.60€  ZonaB1:63.70€  ZonaB2:72.00€  ZonaC1:82.00€
  
  
 

   

 はい、これで晴れて、”Abono mensual”の入手となりました!乗りまくっちゃってください。ちなみに、私は毎日郊外に行く用事がありますので、ゾーンB2までをカバーする定期券を持っています。これで、かなりの場所まで乗り放題が可能になります。「目的地を決めずに散歩に出発 → 行けるところまで行って → そこにある交通手段を乗り継いで帰宅」といったことを、日々の楽しみにしています。


補足情報
 

 ※ここで紹介する入手方法は、唯一絶対のものではありません。私が、最も基本的な入手方
  法なのではないか、と考えている方法です。スペイン語や英語がわかる方は、”Consorcio
  Transportes Madrid”(マドリッド交通協会)のHP(http://www.crtm.es/)で確認がで
  きますので、参考にしてください。※ただし、「マドリッド交通定期券の入手方法2」
  でもお伝えするように、協会の案内と実情はやや異なりますので注意が必要です。

 ※”tarjeta”を一度入手してしまえば、あとは毎月の月末に、翌月分の”cupon”を購入するだけで
  す。estancoだけではなく、地下鉄構内にある自動券売機でも、手軽に”cupon”の購入が可能
  です。その際も、”tarjeta”が必要です(バーコード部分を機械に挿入して、情報を読み取ら
  せます)。
 
 

 ※”cupon”は、折り曲げてもいないのに、利用の際(特に”Interurbano”(郊外行バス)では)
  頻繁にエラーが起こります。バスであれば、エラーが出ても、運転手に”cupon”を見せれば
  通してくれますが、地下鉄などでは、いちいち駅員を読んで説明するのは、大変わずらわ
  しいです。エラーが頻繁に起こるような場合は、地下鉄の駅員に”No funciona.”(ノー・フ
  ンシオーナ)「使えないんだけど」と言えば、自動券売機を操作して、新しいものを発行
  してくれます。
 

 ※ここで紹介したのは、最も標準的な”Abono normal”(アボーノ・ノルマル:24~64歳ま
  で)の1か月定期の入手方法です。この他に、若者用”Joven”(ホベン:23歳まで・半額に
  なる)や、高齢者用”Tercera edad”(テルセーラ・エダ:65歳から・どのゾーンでも一律
  12.30€)、また、1年定期や家族割引などもあります。これらは、即日発行はできず、い
  くつかの書類を”Estanco”に提出後、”Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交通協
  会)の審査を経て、15日程度ののちに発行されます。料金設定については、以下で確認で
  きます。
 http://www.crtm.es/servlet/RedTransServlet?xh_ACCION=1&xh_TIPO=7&MENU=3&SUBMENU=1
 
  また、2014年5月現在、若者用”Joven”(ホベン)の定期券のみ、プラスチック製のカード
 (”tarjeta”と”cupon”を融合したもの)に移行しつつあります。いずれは、”normal”も”Joven”
  も、”tarjeta”と”cupon”は廃止され、プラスチックのカード一枚になる見込みです。
  いつ完全移行になるかは未定です。
 
以上が標準的な定期の入手方法です。一見簡単なのですが、実際には…。詳しくは「マドリッド交通定期券の入手方法2」をご覧ください。Hasta luego!(アスタ・ルエゴ)「では、また」

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マドリッド交通定期券の入手方法2-1(実践編~申請書の入手に関するボヤき~)

前回の「マドリッド交通定期券の入手方法1」は、「基本編」としました。”Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交通協会)のHPの案内を参考にしながら、あえて淡々と事務的なテンションで書いてみました。しかし、実際の購入には、ボヤきたくなるほどの秘話がっ!このブログのタイトル”otro estanco”(オトロ・エスタンコ)の由来もここで明らかとなります。
  
申請書入手の時系列

1.Moncloa(モンクロア)のバスターミナルから、郊外行バス(Interurbano)に毎朝乗っている
  と、乗客が皆、定期券のようなものを利用していることに気付く。

2.バスの運転手に、定期券はどこで買うのか尋ねると、地下鉄の階にあるestancoで買える
  と言われる。

3.運転手に言われたestancoに行く。
 

   私 :定期券を買いたいんだけど…。
   est. :申請書を持って来い。
   私 :じゃあ、ください。
   est. :ここにはない。
   私 :じゃあ、どこにある?
   est. :”otro estanco"(あっちのエスタンコだ。)
   私 :「あっち」って?
   est. :どこのestancoでも、置いてあるよ。

  「じゃあ、どうしてここのestancoには置いてないんだっ!」とツッコミたくなった
  が、その日は他の用事があり、あきらめる。
  
 

4.事情がよくわからなかったので、自宅で、”Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交
  通協会)のHPを見る。定期券が存在すること、しかも、指定したゾーン内であれば様々な
  交通手段が乗り放題になること、家族割引があることを発見する。購入手段として、申請
  書をestancoに提出することが書いてある。申請書のダウンロードのリンクなどはない。
  マドリッド市内の”あらゆるestancoで申請が可能であることが書かれている。

5.翌日、やはりもう一度、同じestancoへ。昨日と違う人物が窓口にいたので、再び尋ねる
  も、3のやり取りが繰り広げられる。他のestancoへ行く前に、近くにインフォメーション
  (Atencion al viejero)を発見。そこで、定期の買い方を尋ねる。
   
   

   私 :定期券を買いたいんだけど…。
   info :申請書をあそこのestancoに出しなさい。
   私 :じゃあ、申請書をください。
   info :ここにはない。
   私 :じゃあ、どこにある?
   info :あそこのestancoにあるでしょ?
   私 :いや、ないと言われた。
   info :じゃあ、”otro estanco”ね。地上に上がって、Princesa(プリンセサ通り)を歩け
      ば、たくさんあるわよ。
 
6.さあ、申請書を探す旅が始まった。地上に上がり、プリンセサ通りをAlguelles(アル
  グェージェス)方面に歩く。第一estancoを発見。

   私 :定期券のための申請書を…。
   est. :ここにはない。モンクロアのestancoだよ。
   私 :そこでないと言われたから、探しているんだけど…。
   est. :あっ、そう。でも、ここにはないよ。”otro estanco"だな。

  プリンセサを歩きながら、このやり取りを(冗談抜きで)3回繰り返し、途方に暮れる。

6.自宅方面に戻るため、Hirarion Eslava(イラリオン・エスラーバ通り)に入る。estanco発
  見。ダメ元で質問を浴びせる。やはり3のやり取りを繰り返すハメとなる。しかし、店を
  出る間際に、この通りの60番地にあるestancoならあるわよ、と一言。「もう騙されない
  ぞ!」と思ったが、最後の望みを賭けて、その場所へ。

  
7.さあ、今日5つめのestancoだ!  

   私 :定期券の申請書って、ありませんよね?(表現が変わっていることに注目!)
   est. :はい、これね。(これまでで、一番感じの良い応対。)
   私 :えっ、あるの!?Gracias「ありがとう」!!(本来、お礼を言うべき場面では
      ないことに注目!)
 

家族割引を申請したい旨を言うと、それ専用の申請書をくれた。やっとのことで申請書を手に入れることができた。下の写真が申請書ですが、本当にごく普通の申請書です。これが歩き回って入手するほどのものなのか…(涙)。

 
 
<ボヤキ>
Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交通協会)のHPの案内には、こうあります。

・Para solicitar cualquier tipo de Abono Transportes debera adjuntar al
   impreso de solicitud una fotografia reciente en color y tamano pasaporte, … 
   すべてのタイプの定期の申請には、申請書にパスポートサイズのカラー写真を添付し…

「申請書」については、このうようにしか書いてありません。また、このページからダウンロードできるようにもなっていません。ボヤかせてください。

 マドリッド交通協会 御中

  「ダウンロードさせてくれいっ!」

 バスターミナルのestanco 御中

   「バスターミナルのestancoと言えば、estancoの中でも花形。定期を発行できるのに、
   どうして申請書を用意してないんじゃいっ!」

 estancoの皆様

  「もう"otro estanco"はやめようよ。あなたこそestancoなんだから…」


ここで得た経験から、このブログのタイトルを”otro estanco”としました。スペインの様々な行政手続き、さらには普段の食事や買い物などでも、とにかく時間をかけさせてくれます(涙&笑)。イライラもしますが、「これぞスペイン生活の醍醐味」と、楽しくなってくることもあります。この”otro estanco”というフレーズが、スペイン生活の楽しさを象徴することばのように思えるのです。決して批判をしているのではなく、「親しみ」を込めてボヤいていることを、どうぞご理解ください。

次回は、申請書の提出 → 定期券の入手の過程で起こった珍事です。Hasta luego!

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マドリッド交通定期券の入手方法2-2(実践編~定期券購入に関するボヤき~)

前回は、定期券の申請書入手に関して、その経緯とボヤきを書きました。たかが申請書の入手でかなりの時間を使ってしまいました。もしかしたら、自分のケースは相当に運が悪いケースだったのかもしれませんが…。さて、これでやっと定期券の申請ができます。が、やはり事はすんなりとは運びませんでした。

定期券購入の時系列

1.申請書を持ち帰り、必要事項を記入する。(自分のケースは妻と子一人。したがって、家
  族割引(familia numerosa general)の適用が受けられると考えた。そのため、通常の必要
  書類(顔写真、パスポートのコピー)に加え、家族関係を証明する書類の添付が義務付け
  られた。審査に通るかどうかはわからないが、日本でのビザ申請の際に使用した戸籍謄本
  とそのスペイン語訳を添付することにした。)

2.必要書類一式を、Hilarion eslava 60(イラリオン・エスラーバ通り60番)にある申請書を
  くれたestancoに持って行く。書類を見て、「この書類で家族割引が適用されるかどうかは
  わからないが、一応、協会のほうへ提出しておく」と言われる。審査には10~15日かかる
  ので、その頃にまた来るように言われる。

3.審査に通ることを信じ、10日間待つ。ちなに、審査が通れば、月72€の定期券が半額近くに
  なるので、祈りに祈った。

4.10日後、estancoへ行き、審査の結果を聞く。10日前に受領してくれた人とは違う人が、
  「家族割引は5人以上の家族にのみ適用されるものだから、君のケースは無理だ」という信
  じがたい言葉が告げられる。

5.しかたなく家族割引はあきらめ、通常の申請を行う。その場で”tarjeta”が発行される。同時
  に”cupon”も購入。とりあえず、自分の分の定期券だけを入手する。

6.本人でなければ”tarjeta”の申請はできないため、妻を連れ、再びestancoへ。これで、妻の
  定期券も入手。残る子の分の申請を行う。こちらは若者用の定期(joven)なので、審査
  が必要になり、10~15日の時間を要する。

7.10日間待ち、estancoへ行く。子の分の”tarjeta”が届いているか確認をするも、まだ協会か
  ら届いていないと言われる。

8.次の日、再びestancoへ。申請から11日目に当たるこの日に、子の”tarjeta”が協会から届い
  ており、”cupon”を買い、これで晴れて家族全員の定期券購入となった!

<ボヤき>
Consorcio Transportes Madrid”(マドリッド交通協会)のHPの案内には、実はこうあります。

・(省略…)para Familias Numerosas o Personas con Discapacidad hay que presentar,
 además, el original del título acreditativo de esa condición y entregar una fotocopia del
   mismo en cualquiera de los estancos autorizados.  En un plazo aproximado de quince
   días dispondrá de la tarjeta en el mismo estanco en que se solicitó.


ここには、大きい家族または体に障害を持つ人の割引を申請する場合には、それを証明する書類の原本とコピーを提示すること。その提出は、あらゆる公認estancoでということ。そして、その審査には15日ほどを要し、申請したestancoで受け取ることが書かれています。ボヤかせてください。

「家族割引は、5人以上の家族が対象だと明記してくれっ!」
   確かに、Familias Numerosas は「大家族」という意味なので、3人家族で申請しようとし
  たのはこっちのミスだが…。でも、どこにも5人の以上の家族なんて書いていないし…。
  しかも、もっと言えば、どうしてestancoの窓口で受領しちゃうの??そこで「これは5人
  以上の家族が対象だ」と言ってさえくれれば、その場で家族割引はあきらめて、普通の定
  期の申請に切り替えたのに…。おかげで10日間も期待して待っちゃっいました!
  間違えて受領してしまったなら、それは仕方がない。でも、電話番号とかメールアドレス
  とか、連絡の手段を申請書に書かせてるんだから、連絡をくれいっ!
 
「公認estancoって、何?」
  estancos autorizados(公認エスタンコ)の部分はリンクになっているので、見てみまし
  た。申請書の入手のために尋ねて回ったestancoのすべてがリストに載っているではない
  かっ!申請書さえ置いていないのに、公認って!

「協会から”tarjeta”が届いたら、連絡ちょうだいよ~」
  estancoでは、審査を要する”tarjeta”の申請の場合、「10~15日程度の間に取りに来て」と
  言われます。だから、行ってみてから、「まだ届いてないから、また後日ね」と気軽に言
  われてしまいます。「あのね~、こっち、そんなに暇に見える~?」とツッコミたくなり
  ます。連絡先を書いてあるのだから、「届きましたら、取りに来てください」とメールを
  くれればいいだけの話なのに~。


この定期券入手の一連の流れからおわかりのとおり、estancoはけっこう公的な業務を担っています。必要書類として、顔写真や連絡先、戸籍謄本のようなごく私的な書類まで預かったりします。いろいろな情報源では、「~は、あらゆるestancoで入手可能」などと書いてありますが、業務やサービスの質には相当ばらつきがあり、どこでも同じものが手に入る、どこでも同じサービスが受けられるというのは大きな間違いです。
 
私のように日本から来たばかりの頭でいると、どこでも同じサービスが受けられるのは当然と考えがちです。でも、それは日本の常識。ここでは、同じ店でも、店員によって言うことはまちまちです。

さて、これから”otro~”を何回聞くことになるのか…。とことん付き合ってみたいと思います。
  

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荷物に関税をかけられたら

物品を商売目的で海外に郵送する場合、その商品に対して「関税」を払わねばなりません。しかしながら、商売目的ではなく、自宅での消費目的で日本から郵送してもらった荷物が、関税局で止められ、税金を徴収されるといった場合があります。私が今までに生活した国(ベトナム・中国)でも、こういったケースが必ずありましたが、スペインも例外ではありません…(残念)。ここに、悔しい経験を記録させてください。
 

関税徴収の時系列

1.入国してから1週間。出国前に準備しておいた荷物を身内にSAL便で郵送してもらう。

2.3週間後、到着が遅いなぁ~、と思っていたとき、「マドリッド航空貨物センター(Centro de Carga Aérea Madrid Barajas)から「国際郵便到着通知」(Aviso de Llegada Envío
 Postal Internacional)なるものが届く。以下、それぞれ「センター」「アビソ」と呼びます。

(アビソの封筒。赤いURGENTE(速達)に威圧感を感じます。)

3.アビソに「関税の支払いのために、所定の期間内に出頭すること」と書かれていることを
  確認する。所定の期間は、9月16日(月)~22日(日)であった。※土・日が含まれている
  ことに留意(あとでボヤきます)。

4.アビソを受け取った翌日、封筒にある住所を基にGoogleマップで所在を確認。運搬用の
  キャリアーを持って、センターに出頭する。

  ※センターの行き方
   ・住所は「Calle Trespaderne s/n, Madrid」です。ちなみに「s/n」というのは”sin
    número”(番号なし)の略で、官庁や大きな建物につけられる住所です。
   ・地下鉄アベニーダ・アメリカ駅(Avenida América:6、7号線など)から114番のバス
    で30分弱で到着します。外をよく見ていると、Centro de Carga Aérea と書かれた大き
    い建物が見えてきます。その正面でバスは止まります。バラハス空港の近くですが、
    空港に行ってしまうとセンターへのアクセスが難しくなります。

5.下車後、正面玄関(1階にカフェがある)付近にインフォメーションを発見、封筒を見せ
  ると、行くべき場所を指さして教えてくれた。

6.指示された1階の入口で荷物検査を通り、入館。窓口に先客がいたため、15分ほど待つ。
  自分の番が来て、アビソを見せる。15分待ったあげく、以下を告げられる。
  ・「ここではなく、あっちの建物でだ」
  ・「あっちの建物は歩いて5~6分かかる」
  ・「あっちの建物で自分の荷物の伝票をもらって来い」
  ・「もらったら、またここに来い」

  ※「あっちの建物」の行き方については、窓口に地図が貼ってある。おそらくは、「ここ
   じゃなくてあっちの建物だ」といった案内を日々繰り返しているものと思われる。

7.バス停のある通りを渡り、歩いて5分。「あっちの建物」に到着。「あっちの建物」と
  は、荷物の集配場のようなところであることが判明する。中に入り、アビソを渡すと、待
  つように指示される。5分後、自分の荷物の伝票が渡され、「あっちの建物」へ行くよう
  に指示をされる。この場合の「あっちの建物」は、私が初めに行った建物のことである。

8.初めの建物に戻る。またまた先客があり、5分待つ。自分の番となり、もらってきた伝票
  を渡すと、信じがたいやりとりが繰り広げられる。

  窓口:中身は…、新しいもの?
  私 :いいえ、ほとんど古いものです。新しい本もありますが、自分の勉強目的です。そ
     の他の生活用品も、自分で消費します。
  窓口:OK。じゃあ、これから中身を調べて、関税対象になるものをチェックするから、明
     日の12時以降に、また来て。 
  私 :えっ!?
  窓口:明日がだめなら、あさってでも来週でも大丈夫よ。
  私 :いやいや、そうじゃなくて。今日じゃダメなんですか。まだ10時半だし、待ってい
     るから、今日全部済ませたいんですが…。
  窓口:いや、それは無理よ。チェックには時間がかかるから…。
  


  まったく腑に落ちないながらも、帰宅を余儀なくされる。 

  
9.翌日、再びキャリアーを持って、センターへ12時に出頭する。初めの建物の窓口へ行く
  と、前日に提出した伝票と必要書類を渡され、「じゃあ、あっちの建物で。関税対象のも
  のはなかったわよ。」と言われる。

10.「あっちの建物」へ行き、書類を提出する。10分後…。

  係員:じゃあ、5.34€ね。
  私 :えっ、関税はかからないと言われたんですが…。
  係員:いや、手数料だよ。

  発行された領収書には、「Tarifa de presentación a aduana 5.34€」(税関への照会手数
  料)と書かれている。仕方なく手数料を支払うと、荷物が手渡され、晴れて日本からの物
  資を手に入れることができた。
  


ボヤかせてください

個人の荷物を適当に選んで局留めにし、在住者に関税を徴収するということは、いろいろな国であるようです。しかし、商売目的でなく、日常の生活に必要なものに関税を支払うというやり方は、やはり腑に落ちません。というか、非常に悔しく、気分を害します。運が悪かったとあきらめるしかありませんが、このケースになった場合には、すべて日常生活で消費するものだと強く訴えて、出費をできるだけ抑えるしかありません。

<ボヤき>
まず、出頭に定められた期間について。
今回のケースでは、9月16日(月)~22日(日)となっていました。「1週間はあるではなか」と思うなかれ。アビソが届いたのが17日(火)です。しかも、よく読むと、「土・日は閉館」と書いてあります。となると、実質的に出頭できる期間は、18日(水)~20日(金)の3日間しかないのです。出頭期間に入ってアビソが届き、しかも閉館する土日もしっかりと出頭期間に入っている…。何か間違っていないかぃ!!

それから、出頭するべき場所(建物)について。
「あっちの建物」で伝票をもらってからメインの建物で手続きをする、という流れなら、アビソにそう書いておいてくれないと。建物が近いならいいけど、歩いて5~6分かかるんだからっ!無駄に15分待っちゃったよ!最初に行ったインフォメーションの案内も不適格だし…。

最後に、たかが荷物の受取で2日間もかかる件について。
普通なら、「税関で荷物を開けたところ、関税対象と思われるものがあった。だから出頭を求められた」と考えるでしょう。しかし、違うのです。
日本から来た荷物を適当に止め、出頭を要求。1日目はメインの建物の窓口に出頭して伝票を渡し、受取の意志があることを表明するのみです。しかも、メインの建物と集配場とは行政機能が異なるらしく、横の連携がありません。5分歩いて伝票を持ってくる作業も、出頭者自ら行わなければなりません。言うなれば、一日目は、伝票を集配場からメインの建物へ届け、手続き開始をお願いするために参上するようなものです。
1日目のこの作業が終わってはじめて、荷物を開け、関税対象物の有無の確認が開始されます。あれば課税、なくても手数料を徴収します。こうして計2日間、出頭を義務付けられます。

今回、法外な関税をかけられずに済んで良かった…と安堵するも、様々なツッコミが頭に去来しました。

 ・関税がかからない…。じゃあ、いったい何のための2日間?荷物を調べて、怪しいものを
  発見したら呼んでくれよ~っ!
 ・それができないなら、受取に2日間かかることを書いておいてくれいっ!
 ・同じ組織なんだから、伝票を運ばせるのはやめてくれっ!
 ・「じゃあ、明日ね。」なんて無邪気に言わないでくれいっ!そんな暇そうに見える、私?

とにかく、スペインは時間をかけさせてくれます。家からセンターまで片道1時間15分。2日間で5時間。商売目的ではない個人の荷物を勝手に止めておいて、「関税対象はなかったからOKよ。でも、手数料払ってね」って、なに、その自作自演!

この件をネットで検索すると、いろいろなケースがブログなどで紹介されています。みなさん、憤っています。それは、そうです。友人や家族が、海外での生活は苦労も多いだろうと、元気の出る食べ物などを送ってくれる。でも、それに高い関税をかけてくるのです。今回の自分のケースは金銭的に低かったので、運が良かったほうかもしれません。でも、こういう出来事は、海外生活を実感できる体験ではあるものの、決して気持ちの良いものではありません…。今後は、ご勘弁を…。

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NIE取得の道のり1

外国人がスペインに長期滞在するにあたり、もっとも時間をかけさせてくれる公的手続き。それがNIE(ニーエ)です。在日本スペイン大使館で、たとえ長期滞在のビザを許可されたとしても、スペインへの入国後30日以内に入管へ出頭し、このNIEを取得しなければなりません。

これから4回に分けて、私が実際に踏んだ手続きを(そしてボヤきも交えて)解説をしていきます。なお、NIE取得の過程は、申請者のおかれている状況により異なります。あくまで、「私」のケースであるということをお断りし、解説を始めたいと思います。
 
「私」のケース

 ・滞在目的:マドリッドの某大学に籍を置き、1年間の研究が目的。
 

 ・査証(ビザ)の種類:「留学・研究・研修査証(長期、6ヶ月以上)」
   ⇒私の場合、通常の学生の留学とは異なり研究目的の留学です。しかし、大きく「学生ビ
   ザ」というカテゴリーに入ります。他の国にあるような「研究者ビザ」のような部類は
   スペインにはありません。  

 ・同伴者:家族を伴っての滞在
  ⇒私の場合、家族(妻+子1)を伴っての滞在でした。入国にあたっては、「留学生の扶
   養家族同居査証」というビザを取得しました。
   このケースでは、自分のみならず、家族全員のNIE申請を行わなければなりません。家族
   一人一人にNIEのカードが発行されることになります。家族一括申請のような方法はない
   ので、時間も提出書類も倍以上要すると考えてください。
 
では、第1回目となる今回は、NIEに関する基本的な知識から。
 
1.NIEとは?
  Número de Identidad de Extranjero(ヌメロ・デ・イデンティダ・デ・エクストランヘーロ)の略です。「外国人識別番号」のことですが、要するに、長期滞在を証明する居住許可証です。クレジットカードのサイズで、識別番号、顔写真、生年月日、国籍、年齢、性別、スペインでの住所、直筆の署名と指紋が記載されます。私の場合は、学生ビザなので、表の右上に”ESTUDIANTE”、裏面には在籍する大学名も記載されています。実際の自分のNIEの写真を公開しているブログもありますので、どんなものか画像で見たければ、そちらを参考にしてください。Número de Identidad de Extranjeroなどで検索すれば出てきます。
 
2.申請の時期
 スペインの入国日から30日以内です。これは、日本のスペイン大使館に査証(ビザ)を受け取りに行った際に、しっかりと説明されます。

3 .用途
 最も大きいのは、有効期限内であれば、EU圏内にこのカードで滞在できること。また、法的な仕事の契約が可能になります。それ以外でも、身分を証明しなければならない様々な局面で、パスポートの代わりとして使用できます。これを取得したら、わざわざパスポートを持ち歩かなくても大丈夫です。
 

 例1)クレジットカードでの買い物
    ⇒デパートなどでクレジットカードで買い物をする際、よく身分証の提示を求められ
     ます。パスポートでもよいのですが、NIEでも大丈夫です。
 例2)旅行時
    ⇒ホテルのチェックインの時に、パスポートの代わりに使用できます。

次回以降、実際の手続きの過程について、解説をしていきます。

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