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カテゴリー「食と酒」の記事一覧

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スペインのおいしいワイン3 ~ etcétera2012 ~

etcétera 2012(エトゥセテラ)
・アルコール 12.5%
・産地    カスティーリャ・レオン州 ルエダ(Rueda)
・ブドウ種  Verdejo(ベルデホ)、Viura(ビウラ:別名マカベオ)
・価格    3.50€(約500円)
 
敢えて直訳すれば「その他などなど」。なんて謙虚な命名。でも、能ある鷹は爪を隠すんですね~。そんな名付けの謙虚さに惹かれて購入しましたが、この値段でこの味わいはなかなかです。
暑い季節は白を飲みたくなりますが、決して「冷たきゃ何でもいい」ってわけじゃないんだよな~、これが。そんな時はこの一本です。きりっとした味わいにミネラル感。でも、さらっとしすぎているわけではない。エチケットに「seco」(辛口)と書いてあるとおり、のど元にピリッと来る味わいです。
スペインのルエダと言えば白ワイン。スペインの白ワインと言えばベルデホです。でも、失敗すると「フルーティー、ミネラル感、でもそれだけ…」ということもあります。しかしこれは違います。ベルデホの拡散的な芳香の豊かさに、ビウラがしっかりと輪郭を与えてあげている。そんな、スペインの白ブドウ種の共演が感じられる一品です。シンプルなエチケットも控えめ…。 購入はいつも通り、以下の場所です。

BODEGA SANTA CECILIA
http://www.santacecilia.es/tiendas-de-vino-madrid.html

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スペインのおいしいもの9 ~ 瓶詰めビート ~

今回の一品。スーパーでも買える瓶詰め食材です。

スペイン語でレモラーチャ(remolacha)、日本語では甜菜(てんさい)とかビートとか言います。日本料理ではあまりなじみがありませんが、ロシア料理やグルジア料理を食べに行くと、よく、赤いスープのようなものが出てきます。それがまさにビートを使用したスープです。ボルシチにも欠かせない材料です。地中海沿岸が原産だけに、ここスペインでもしばしば家庭の食卓に登場します。上の写真は瓶詰のビートで、スーパーや商店で手軽に購入できます。

盛り付けはこんな感じ。

それをメインで食べるというよりは、写真のように肉料理の付け合わせとして食べるのが良いのではないかと思います。

視覚的効果は言うまでもありません。濃い赤色なので、地味な料理でも、それを加えるだけで華やかさUPです。味はさっぱりすっきり、いい意味での「土臭さ」があります。脂っこい料理が続いても、これを食べれば口の中が一気にリセット!いろいろな料理を飽きずに食べ続けさせてくれる…。偉大な脇役…、それが「瓶詰めビート」です。

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スペインのおいしいもの10 ~ 単なるポテトチップス「パタータス・フリータス」~

日本の立ち飲み屋で、もし「お通し」にポテトチップスが出てきたら…。普通なら、「この店、手を抜いてんな…」と思うのが普通でしょう。しかし、ここスペインでは、「一杯目を頼んだらまずポテトチップス」というのは、大変一般的なことです。今回は、この「お通し」におけるポテトチップスについて。

まず、スペインのバルの「お通し」に関する基礎知識から。バルで飲み物を頼むと、通常、勝手につまみが出てきます。これをアペリティーボ(aperitivo)と言います。これは、飲み物代に含まれているので、別途料金を支払う必要のないものです。このアペリティーボ、店によって出す内容は様々です。オリーブを出す店、トルティーリャを出す店、チョリソを出す店…。出し方もいろいろで、一杯頼むごとに異なるアペリティーボを出す店もあれば、最初の一杯だけに付けてその後は出ない店、あるいは一杯目からも何も出さない店など…。通常はアペリティーボ代を請求されることはありませんが、少し高めのレストランなどでは、日本のお通しと同じように、料金に加算される場合もあります。このように、「アペリティーボ」のあり方は、店によって実に様々です。

さて、このアペリティーボの代表格に、ポテトチップスがあります。パタータス・フリータス(patatas fritas)と言います。スペインに来た当初は、これが出てくると「なんだ、単なるポテチかよっ!!」と嘆いてましたが、よくよく味わって食べてみると、意外とくせになる味です。日本のポテトチップスは、やはり「おかし」という範囲を越えません。そのため、いろいろな味付けがされています。しかし、こちらのバルで出すポテトチップスは非常にシンプル。ある意味で「おかしと料理の中間」という感じです。おいしいジャガイモをさっくりと揚げて、簡素に塩味のみで仕上げたものが提供されます。シンプルがゆえに、ジャガイモ感たっぷりで、食べ続けられます。また、シンプルがゆえに、バルによってはこのポテトチップスにほかのタパスをのっけってきたります。下の写真では、カタクチイワシの酢漬け(boquerones en vinagre)がのっています。

こんなかたちで出てきたら、ぜひ、ポテトにイワシをのせたまま口に運んでみてください。

バルで食べるだけではなく、町の散策の途中で小腹が空いたときにも大活躍。下記のお店では、揚げたてを購入することができます。揚げたてだけあって、サクサク感が違います。

(「Hermanos Sanz」 住所:Calle Cervantes 9, Madrid)

セルバンテス通りにあるだけあって、こんなレトロなパッケージ(2€)です。
 
「ロペ・デ・ベガ美術館」(住所:Calle Cervantes 11)の見学後のおやつに最適。店内の見えるところで、ジャガイモのスライスと揚げる作業をやっているので、工程を拝見するだけでもおもしろいです(写真撮影は禁止とのことです)。

ちなみに、このようなシンプルなポテトチップス以外にも、もちろんスーパーに行けば、日本と同じようにいろいろな味付けのポテトチップスが売られています。味が濃すぎて飽きの来るものばかりですが、「イベリコ豚の生ハム味」などは、日本へのお土産に喜ばれるかもしれません。

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スペインのおいしいもの11 ~ スペイン版カラスミ「ウエバ・デ・ムホル」 ~

カラスミと言えば、日本の酒飲みにこよなく愛される珍味。ボラなどの卵巣を塩漬けにして干したもの。日本酒によく合います。しかし、このカラスミ…。決して日本だけで生産、消費されているわけではありません。ここスペインでも、ワインの名コンビとしてよく食されます。

スペイン語名はウエバ・デ・ムホル(hueva de mújol)。直訳すれば「ボラの卵」です。味は日本のカラスミとほぼ同じ。チーズにも似て濃厚でねっとりとして味わい。これがワインによく合います。

普通のバルにはありませんので、私がよく行くお店を紹介しておきます。パエーリャの隠れた名店です。

(ムルシア料理「Ventrrillo Murciano」 住所:Calle Tres Peces 20, Madrid)


ナッツの上にのっているのがウエバ・デ・ムホル。奥に見えるのが、ウエバ・デ・マルーカ(hueva de maruca)。タラ科のマル-カという魚のカラスミです。これをつまみにちびちびワインをやるのが最高、酒飲みの黄金コンビと言えます。ちなみに、手前にあるものも紹介。これはモハマ(mojama)というマグロの燻製。これも逸品。マグロの風味が凝縮されています。半生まの食感も絶妙です。この盛り合わせで18€(2500円程度)。やはり珍味…、そう安くはありません。

この店では、当然パエーリャを食べていただきたいですが、パエーリャはできるまでに時間がかかります。そこで、このカラスミの盛り合わせをつまみながら待つ…、というわけです。

ムルシアの白ワインとともにどうぞ!
 

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スペインのおいしいもの12 ~ 単なる焼き魚 スズキとへダイ~

日本にもある焼き魚。ですから、「スペインのおいしいもの」と銘打って紹介するものではなないようにも思いますが、あえて書かせていただきます。

日本でお魚を尾頭付きで買う場合、魚種にもよりますが、2000円~5000円は覚悟しなければなりません。したがって、私の日本の生活では、尾頭付きの魚は、安価に購入できるサンマかイワシに限られます(涙…)。しかし、日本では高めの魚が、ここスペインでは考えられないくらい安い値段で買えます。鮭やアンコウのようなほんとに大きい魚は切り身で売られるのが一般的ですが、中くらいのお魚は、是非まるごと購入して、自宅でのオーブン焼きをお勧めします。

おススメの筆頭は、スズキ。スペイン語でlubina(ルビーナ)と言います。まず、値段が手頃。1kgで10€くらいです。大人2人でつっつける程度の大きさのものは、だいたい500~600gくらいなので、値段は5~7€になります。つまり、700~1000円。塩を振ってオーブンに入れるだけ。身がフワフワ、脂分も適度。味はしっかりです。
 
これで6€は安すぎ!オーブンだとフワフワに仕上がります。ほほの部分、内臓までおいしく食べられます。

お次は、へダイ。スペイン語でdorada(ドラーダ)と言います。タイの一種ですので形はマル型、色は黒です。こちらも値段が手頃。1kgで10~12€くらいです。スズキよりも脂があり、オーブンの中でジュウジュウと音を立てます。もちろん、こちらも身はフワフワです。
  
これで4.70€。これまた激安。余分な脂が出て、身の部分は程よい脂分ですこぶるおいしい。
 
<買い方>
・スーパーの鮮魚コーナーまたは市場に行けば、上で紹介したスズキとへダイはどこでも丸ごと
 で売られています。
・指さしで買いたい魚を伝えます。大きさはさまざまなので、自分の好きな大きさの魚を選びま
 しょう。
・上に書いたように、オーブン焼きだったら、魚のほほの部分も内臓もおいしく食べられるの
 で、ウロコだけ取ってもらえば十分です。ですので、注文後に間髪入れずに、”Quita sólo
 escama, por favor.”(キータ・ソロ・エスカーマ・ポル・ファボール)と言いましょう。
 スペイン人は普通、ウロコはもちろん、内臓、頭の部分、尾ひれ背びれなど、身の部分以外
 はすべて店員に取り除くように指示します。ですので、店員によっては、こちらの意向も聞か
 ずにいきなり内臓を取り出したり、尾ひれを切ってしまったりします。それを防ぐためにも、
 上のフレーズを間髪入れずに言いましょう。また、このフレーズを言っただけでは不十分で
 す。「ウロコを取る=ひれも取る」と思い込んでいる店員もいます。しっかりと店員の動きを
 監視して、余計なことをしようものなら”Sólo escama!!”「ウロコだけだって!!」を連発して
 ください。
 監視を怠ったために、ウロコのみならず尾びれを切られてしまったことがありました。尾びれ
 のない魚の塩焼き…。これほど興ざめなものはありません。
 
ちなみに…
生で食すわけではなくとも、魚は、やはり新鮮なものに越したことはありません。いつも鮮度のいいものを置いている店(例えばチャマルティン市場)を見つけておきましょう。また、普段の鮮度はそこそこの店でも、火曜日に行くと新鮮なものが並んでいる店が多いです。火曜日は、スペインでは、ほとんどの店が仕入れ日にしているようで、客も多いです。

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